コラム

「新しいラリーのはじまり」

ここのところ続けて道北エリアを走っていましたが、今年は大きく東にシフトしました。北海道を走るのに4日間という日程は短すぎると感じる人が多くなっているかもしれません。それでも今年は、きっと新しい発見をしてくれると思っています。海の向こうに北方領土を見る時、私たちは否が応でも、郷土への想いを、胸の痛みとして感じることになります。それが何に由来するのかは、ゆでたてのシマエビでも食べながら、それぞれで考えてください。

毎日、雄大で美しい景色の中のライディングが続きますが、トレイルは時に荒れていて、ナビゲーションも難しいセクションがあります。時には仲間と力を合わせて困難を乗り切ってください。

さて、今年は、2気筒以上の4サイクルエンジンを搭載したモーターサイクルによる部門「ツアラテックラリーガストンライエ」がスタートしました。もとより参加者が多く、また北海道の道にも向いた大排気量クラスのモーターサイクルを駆るライダーに、もっと参加しやすいものになるように、という工夫のつもりです。それに呼応していただき、多くのエントリーをいただいたことに感謝いたします。同時に、私たちラリーの運営に携わる者は、これこそがラリーの主役だとは考えていないことを明言します。一台のモーターサイクルとともにスタートラインに立つ参加者は、すべてが平等で、それぞれがラリーの主役であり競技者として尊重されます。お互いにこの4日間が素晴らしい思い出になるようにがんばりましょう。

春木久史