The 30th TOUR DE BLUEISLAND – コラム

「抗わず、流されず」

いよいよ30回大会のTBIを迎えた。
30年とは、よくも続いたものだと思う。しかもその間にはツールド・ニッポンという、到底開催などできないだろうというようなラリーにも挑戦した。稚内から佐多岬まで、一生懸命に試走をしたし、本番もともに走ったなあ。

そうそう岩手で、おそらく渋民だったのだろう、北上川を渡ったところで、古い壊れそうな木造の建物の前にささやかな歌碑があった。クルマを降りて近づいてみると

やはらかに柳あをめる 北上の岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに 石川 啄木
と書いてあった。

啄木の故郷への愛と憎しみ?がこれほどまでに・・・・。
『一握の砂』 (明43年)
その歌碑の前で少しだけブルッとした。

これほどではないにしても、ボクだって日々に望郷の思いは強まるばかりだ。
高知の東部の田野という町がふるさとなボクは、ルートにふんだんに盛り込んでいた。もうこの時期になれば山々に栗の花が咲き誇り、ちょっと微妙な香りが満ち溢れているし、美しい川には必ず手に届かない対岸に自生の藤が美しいのだ。

TBIは、この歌のように誰もの心にあるふるさとの川と、その源たる山々を巡る旅だ。

時代は移り変わり、さまざまなものが姿を変えた。
30年のボリウムとは、まさにそうだ。でも変わらないのは故郷の山河に対する思いだ。

ボクタチは時代には抗わない。
でも、時代には流されない。
あなたたちはどうだ。

TBI30年。
33歳だったボクは63歳になっていた。
あらゆることを経験した。挫折もしたし歓喜もあった。
総じてみると、素晴らしい30年だったかもしれない。
TBIで、あなたは強烈なデジャヴュに出会う。

YAMADA Tetsu

 

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