SSER PRESS Vol.136

 

SSER PRESS Vol.136

ブルーアイランドに浸りたいぞ

ブルーアイランドというワードは、JR四国が40年前にも掲げた「青い国、四国」からいただいたもの。青い国、とは言いえて妙だった。

あのころボクはサハラに通っていた。
ティェリー・サビーネを失ったパリダカの主催団体TSO(Therry Sabine Organisation)は10回記念
大会、日本のパイオニア社がスポンサーについた。ボクタチはFUJITSU-TENのスポンサードを受けていたから、車検会場でパイオニア社のメカニックが「カセットデッキ着けさせてください」と来たのに困った。もっと大人の対応をしたらよかったのに「いらん!」なんて乱暴なことを言って断ったから、40年近くたった今、お詫びを申し上げておく。

それにしてもそうだろう、パリダカマシンに取り付けて耐久性を検証したかったのだろうなあ。でもスピーカーは?カセットテープは?素朴な疑問が何十年もボクの心に残っていた。まあいいか。

「いつかはパリ・ダカ」そんなワードが、都会のくらしにつかれた者たちの間で常套句になっていた。で、そのころは現在のものとは違い、サハラ砂漠のど真ん中を走った。アルジェリア、ニジェール、マリなど、おおよそ海の匂いも無ければ、水の記憶さえなかった。つまり。褐色の大地だ。時折見かけたナツメヤシの緑も多くは砂埃を被って白っ茶けて見えたし、ニジェール川の水もカフェオレ色だった。

ダカールの海岸についても、海は青くなかった。空だって青くなかったような記憶しかない。地球は茶色いのか。宇宙から見る地球は青い星である。宇宙空間でただひとり青く輝いている。しかし、多くは光の屈折で青く見えるだけなのだ。

そしてブルーアイランド、青い島、なにか未発達の、たとえば青春期のような「まだまだ青い」というような語感もあるように。青いは、蒙古斑のことだから。

そう、四国はまだお尻に蒙古斑のある発展途上の島だった。なんなら発展しなくても良かった。そのままが良かった。大人になんかならないほうが。ブルーアイランドがはじまった1988年に瀬戸大橋は無かった、高速道もわずか11km開通したのみだった。

そんな四国。でもパリ・ダカの悔しさをてこに砂漠以外の都市の近郊で可能な日本のモーターサイクルのラリーフォーマットを作ったし、いま海外の多くで、砂漠のラリーとは違う、都市近郊型のラリーが盛んになってきている。

ちょっとだけ、鼻を高くしてブルーアイランドに浸りたいぞ。

ROUTE INFORMATION

DAY-1 4/29(火・祝)

「SSERの記憶」

この日は2ステージ制。まるで過去のSSER2DAYS

■ STAGE-1 TOTAL 113.66km DIRT 46.98km (41.33%)
かつて先の大戦のときに陸軍が高射砲を山の上にあげるために作った道。地元では長く「砲車道」と呼ばれたルートと、そして久万高原町のクラシックなルート。まるで、SSERの記憶をたどるステージ-1、SSは3本。今回のTBIも、初日は「SSER 2DAYS」を模した2STAGE制。DAY-1は、久万高原町でSS三昧。昔から、「SSER」で使われてきた林道を、次々と走る。SSは、3本。明るいうちに帰ってくる。STAGE-2は、18:00スタート。マシンの整備を急げ。

■ STAGE-2 TOTAL 90.44km DIRT 61.11km (67.57%)
夕闇迫るSSが2本、ナイトステージSS2本、計4本。夕暮れのSSが2本。ナイトランが2本。合計4本の構成。SS-4は、フラットな高速林道。ここでは、4輪のラリーの地方戦が、3日前にあったばかり。そのままの路面は案外荒れているこの日すでにSS7本を消化する

DAY-2 4/30(水)

「南下、太平洋に出会う」

TOTAL 400.42km DIRT 118.08km (29.49%)

クラシックなTBIは、初日には必ず南へ下った太平洋に突き出した岬や、大きな湾の中にビバークを開いた。今日から、SSERからTBIへとモードが変わる。久万高原を離れ、南下する。ダートを繋ぎ、あちらこちら。南へ南へと移動する。宇和海、太平洋を望み夕日に追われながら断崖絶壁の続くビバークへ。この日SSはSS-8.SS-9。スタートし、昨日のSS-5へ。このSSで、久万高原町でのSSは最後。給油し、舗装路で進む。廃道のようになったダートを走り、四国カルストへ。
カルストから、高原へと、気持ちよく走る。龍馬 脱藩の峠を越え、梼原のダートを走る。
木々が繁り、鬱蒼とした森を抜ければ、ダム湖。補給し、また山に入り、ダートを次々と走る。
舗装化された林道で、高い峠に登れば、美しい海と島々が一望。峠を下り、ガレたダートを走り、ロングダートへ。街に出て、給油。暗くなった頃、峠越えのSS-9へ。ビバークは、南の絶壁の海岸のキャンプ場。

 

DAY-3 5/1(木)

「土佐を走る、リョーマの休日」

TOTAL 448.61km DIRT 78.00km (17.39%)

東へ向かう。つまり土佐路を横断する。距離は長い、448.61km。移動日となるので、ダート率は今回最低の17.39%だが、それでもダート距離は78.00km。次々と、ダートを繋ぎ。ひた走る。街で補給し沈下橋をいくつも渡り、四万十川を巡る最高の時間。そのあともダートを繋ぎ、かつてはSSだったあの道が、廃道になっているが、下りなので大丈夫。街を走り太平洋に出る。快適な、シーサイドラン。リョーマに会えるだろう。ダートを走ったあとSS-11はナイトステージ。
SSの後、少し長いリエゾンで、ビバークへ。ビバークは、馴染みの清流沿いのキャンプ場。

 

DAY-4 5/2(金)

「ループのラビリンス」

TOTAL 399.13km DIRT 94.14km (23.59%)

この日は、TBI初のループコース、ビバークの移動はない。短く細かいダートの数々。朝ドラで人気の、あの場所へも。古い峠越えのSS-12。海まで下りて、海沿いを進む。山に入り、ロングダート太平洋を見ながら進む。内陸に入り、細い細いダートを進む。ここが本日の難所。いくつかの細かいダートを走る。「愛と勇気の道」を走り、また細いダートへ。山中の国道で東へと向かう。途中、「未来コンビニ」の脇を走る。気が遠くなるような国道で、峠を越える。超えた後、山中に入りダートへまた海に出てから、今朝のSSを逆走し、ビバークへ戻る。

 

DAY-5 5/3(土・祝)

「剣を全線走る、雲の上の道」

TOTAL 432.60km DIRT 123.33km (28.51%)

この日は、今回最長のダート距離 123.33lm。剣山スーパー林道が全線走行可能!なのは何十年ぶりか。こんな機会は、なかなか無い。SS-14を終え山を下りダートを走れば、サーファーを眺めながら、シーサイドラン。これが最後の海岸沿い。大きな寺から、山に入っていく。川沿いから、更に山深く入っていく。峠からダートへ。山中で、大きな風車にビックリ。国道で移動して、剣山スーパー林道へ「出口」側から入る。ツーリングライダーも多いので、注意して走行。スーパー林道「入口」直前で、山中に入る。ダートがコンクリートで塗り固められた坂を登る。尾根から曲がれば、ダートが始まる。このガレた下りが本日の難所であり、SS-15。抜ければ、あとは、舗装路でビバークへ。街で寄ったガソリンスタンドで必ず給油。山を登りきれば、そこが今日のビバークだ。今晩は、BBQ!

 

DAY-6 5/4(日)

「凱旋のDAY-6は、なにを考えればよいか」

TOTAL 305.64km DIRT 69.99km (22.90%)

最終日。残るSSは1本。しかも短い。だが、ダートは約70km。ダート率22.90%。最後の最後まで、ダートが続き、満足するのか、もうおなかいっぱいとなるのか。天空のビバークから、スタート。一気に、山を駆け下りる。すぐさま、高速道路で80km移動。川沿いの道でダートを目指し、山に。峠を越え、最後のSS-16。SSのあと湖の周りを淡々と進む。給油の後、またダム湖へと戻る。そして、残された僅かなダートを行く。次のロングダートへと移動し、ダートライディングを楽しむ。走りにくい国道を進み、最後のダートへ。フラットで気持ちの良いダート。このダートでTBI2025の走り納め。舗装に出て、山を登れば、グランドゴール!そして、表彰式!なにを感じるか、なにに気が付くか、TBI2025

TBI2025
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TOTAL     2190.50km
DIRT TOTAL  591.63km
TOTALダート率  27.01%
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TIMING CHART

 

TIME SCHEDULE