ROUTE INFORMATION

■ETAP-1 5 AUG. 2023 ULAANBAATAR⇒SAYNSHAND

L:51.85km SS-1:252.29km L:4.91km SS-2:238.51km L:31.22km TOTAL:578.78km

「1本のG.H.MUMM Grand Cordonを巡って」

1907年6月清朝末期。動乱の20世紀の幕があけたころ。北京からパリまでの自動車レースが行われた。参加車は5台。優勝賞品は1本のシャンパン。G.H.MUMM Grand Cordon(マム グラン コルドン)1台のフランス人の乗るコンタルがゴビ砂漠で行方不明になった。わずか6馬力、単気筒のコンタル。ドライバーは瀕死の重体で救出されたが、マシンは砂に埋まったまま116年の時が過ぎた。しかしこのシャンパンはいまだつくられているから不思議だ。この日のステージウイナーに、このシャンパンを贈ろうと思う。あの冒険の記憶をもういちど確かめるために、ゴビにむかう。


■ETAP-2 6 AUG. 2023 SAYNSHAND⇒SAYNSHAND

L:35.87km SS-1:305.03km L:0.71km SS-2:286.58km L:29.28km TOTAL:657.47km

「コンタルを探せ」

116年ものむかし。清朝末期。中国は急速に国力を弱め列強に蝕まれていた。しかし、いまは再び100年の眠りから覚め、ゴビ砂漠の地下に眠る資源を巡って総攻撃をしている。コンタルの埋まった辺りに道はまったくなかった。世界の輸送が馬車から鉄道に変わり、道路が地上から消え失せようとしていた頃だ。南ゴビをおおきくワンダリングするループで、コンタルを探しながら中国の資源アタックの現場を目撃する。ここは世界の希少動物絶滅危惧のホランとよばれるアジアノロバを見かける。おそらく真空地帯では、100年前の北京-巴里の時代と何ら変わらない大地を見ることになる。


■ETAP-3 7 AUG. 2023 SAYNSHAND⇒SAYNSHAND

L:36.14km SS:241.00km L:24.92km TOTAL:302.06km

「1995年ラリーレイドモンゴルの伝説のデューンを探せ」

なんと今回2日続けてループコースだ。コンタルが埋まっているかもと、われわれが28年前に目指した南ゴビのデューンを巡る旅だ。キャンプをあとにスタート地点は「Khamriin khiid寺院」である。世界的なパワースポットであり、地下には何やら希少金属やらひょっとしたらいけないものが眠っているかもしれない。まあなかなか来ることの出来ないここを見て(お土産物屋なんかがたくさんある観光地だけど)パワーチャージをするのだ。ゴビのデューンは生きている。あの大量リタイアを生んだ伝説のデューンは動いてしまい草生す丘でしかなくなっていた。しかし砂は深くなかなか手ごわい。


■ETAP-4 8 AUG. 2023 SAYNSHAND⇒ADAATSAG

L:148.14km SS-1:275.64km L:11.74km SS-2:195.52km L:19.10km TOTAL:650.14km

「CAP310北西に進路をとれ」

ゴビをあとにみどりおりなす草原地帯をめざす。疲れはピークかもしれない。しっかり水分と塩分を補給せよ。そして、大移動の日でもある。リエゾンを含め650キロを走る。しかしピストはわれわれがゴビハイウエイと呼ぶものも多くラリーモンゴリアを堪能できる折り返しのエタップである。この日使うキャンプは標高1450m、気温も落ち着くだろう。そして今回のキャンプ地は、すべて初めての場所だ。新鮮な気分が満ちている。


■ETAP-5 9 AUG. 2023 ADAATSAG⇒ADAATSAG

SS-1:257.60km L:9.21km SS-2:292.94km L:21.68km TOTAL:581.43km

「ゴビ・リングワンダリング、湖に浮かぶ寺院」

草原に覇を競うハーンの時代より、この中央ゴビはなにも変わらなく豊かな緑と遊牧の生活を見る。この日はゴビを巡るループ。と言ってもハイスピードのゴビハイウエイが連続する。きちんとした自制心をキープして鞭をいれれば、経験したことの無いほどのライディングハイを味わえる。豊かな緑と歴史的な景観。人類の素のありようさえ考える、豊かな1日になる。そしていくつかの寺院や寺院跡を眺め、湖に浮かぶ寺院のある小さな村にゴールだ。西陽に染まるこの寺院を見ることがこのEtapのひとつの目的かもしれないと思う。湖に沿ってリエゾンをしてキャンプに戻れば満天の星空の夜が待っている。


■ETAP-6 10 AUG. 2023 ADAATSAG⇒RASHAANT

SS-1:223.84km L:2.68km SS-2:249.24km L:21.19km TOTAL:496.95km

「砂のエリアと緑の回廊」

この日もSSはキャンプからスタートする。そして西へ西へ。いくつもの過去のシーンが思い浮かぶようなピストが続き砂のエリア、緑の回廊。みどりは濃く、そして豊かだ。このラリーを走る歓びはこうした変化の連続にあるのかもしれない。そして岩山のキャンプ。ここまでの行程を振り返りつつ、ラリーが終わろうとする最後のキャンプの夜へゴールする。


■ETAP-7 11 AUG. 2023 RASHAANT⇒ULAANBAATAR

L:45.13km S:249.45km L:22.12km P:4.13km TOTAL:320.83km

「凱旋のウランバートル」

西からウランバートルにむかう道は、いまでは舗装されてしまっているが実は古道がある。古街道というのが正しいか。今回はそのルートを辿ってウランバートルに凱旋しようと思う。すでに人跡途絶えピストが見えない箇所もあってCAP の指示も出る。山を越えると不思議な世界に出くわしたりする。山々の稜線を走り大きなオボーにゴールすれば長年の夢が達成できたことを知る。ルートブックの最後にはBRAVOOOOO!と書いてある。しかしそれは夢から現実に戻ったというか時間旅行が終わり現代に舞い降りた感覚に似ている。
ETAP数は、1日減ったがSSの総距離は3000キロを超えたタフでハードな砂漠のコンペティションはここに昇華する。