コラム

昨年にも増してルート作成の困難を極める環境において、今出来ることは何か?ただ闇雲に知らない土地でリスクを拡大するより、都市近郊からもこんなに楽しめるということを感じて貰いたいと今年は考えました。

今現在、9月連休は稲刈りの真っ最中。舞台となる大崎耕土は金色の稲穂が豊穣の秋を染め上げています。台風にもコロナにも挫けず開催を続けているこの大会です。エントラントは如何にこの東北の地を走ること楽しみに準備しているのかを思うと、益々その要素を加えたくなります。昨年と同じ七ヶ宿からのスタートゴールではあるものの、トータルでの走り甲斐と、昨年見て貰えなかったところに重きをおいたルートとなりました。

今年は台風被害がやっと一段落した宮城県側のダートを主に通過します。舗装化と共にCNを踏まえたエネルギー開発が盛んに行われ、山の環境がどんどんと変わってきています。今走ってもらわないとと思うところも多くありました。風雨の被害が改修された場所もありますが、荒れたままのルートも走り甲斐のある楽しいところと感じて貰えれば嬉しいです。今回も「コンペ度合のアップ」は健在です。湯布院に負けじと出来る限りの本数をやりたいと宮城でSSを用意しています。

またコンペティションとは距離を走り切る事も醍醐味です。東北は「秋の日はつるべ落とし」と言い、山に日が落ちると直ぐに暗闇が訪れます。怖さが先に立ちますが、昨年の映像を参考にしていればナイトランの準備に抜かりは無いと思います。リエゾンとのメリハリをつけて楽しんで下さい。

ただそのリエゾン、まずは安全と地元民が優先です。今回でラリーは終わりではありません。如何に継続して走らせてもらうか?気持ちよく東北の自然環境を感じとって走れるか?です。山を荒らさず、山に感謝して、安全に生きて帰って来れるかを試されていると思って下さい(byクロカン)。

東北はバイクに慣れていない方も多く、ハイカーやMTB、対向車がいたらすぐに停まれる寸前のスピードまで充分な減速をお願いします。眼を合わせ会釈する位が良いでしょう。また林道だけでなく奥の細道でも住宅が見えるような場所は如何に静かに走るか?騒音を撒き散らす来てもらいたく無い輩とはなりたくありません。舗装路であってもその配慮が必要です。

そしてルート沿道には沢山の楽しみが隠されています。湧き水ひとつ、道標ひとつ、勿論名所にもその土地土地の息吹が宿っています。

震災から立直り力強く前進する東北で、地元自治体のご後援、県警はじめ沢山の方々のご協力のもと、4回目となるラリー東北は開催準備が整いました。本当に大変な世の中になったものだと感じながらも、この様に走らせてもらえることに感謝しつつ、参加者の皆さんとスタッフの想いをのせてこの大会は続いて参ります。