コラム

近代史の側面から四国を俯瞰する旅

ひょんなことからSSER Publishingという出版事業を立ち上げた。それは新型コロナ感染拡大により海外のイベントが2か年にわたり開催不能に陥ったからだ。いや、遂に3年目に入るのか。その出来た時間を「どう過ごそうか」と考えた時に「そうだ本を書こう、そして出版しよう」と。まあ暴挙に近い。そして、『脱藩』龍馬脱藩の謎に迫る、空白の120日を纏めた。その途中ではTBIの34年の日々が、濃厚な気配となって筆を後押しした。そう、このTBIがなければこれは書けなかった。こうして幕末の四国の表情を俯瞰しながら、あちこちにちりばめられた思いを集めて本を編んだ。つまり編集とは「こうしたことだったのか」と気づかされる。そう「集めて編む=編集」ということだ。ならば、TBIと言うものそのものが、「壮大な編集であり」それを走るライダーらは「読者」に似ているかもしれない。いや冒険という知の探検者たちだと言って良い。34年目に気づかされた濃厚な事実だ。さあ、いよいよ知的な冒険行へ。

(Text by Tetsu YAMADA)