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No.027
2000/11/22

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北の島

■北の島は、本当に北の島らしく早くも雪に覆われてしまいました。しばらくはストーブの火に背中を炙られながら、本を読んだり、ビデオを観たり、静かな週末が続きます。もう少しすると、雪山での遊びが始まるわけですが、ここ数年はぼくもバイク三昧が続いているので、どうにも雪の少ない本州や四国の人たちがうらやましく思えたりしてしょうがないですね。カフェ・レゴラリータに遊びに行って、バイクに乗りたいなぁ!! で、10月下旬から半月ほどの間、ラリー好きなら絶対知ってる地名ですが、スペインのグラナダに行ってきました。観光なんてもんじゃなく、6日間エンデューロの取材ということで、毎日5時半起床の9時夕食、12時就寝という重労働でしたよ(まあ、夕食から就寝までの時間は飲んでるわけですが…)。ぼくの友人含め、まったく2週間も遊びに行ってうらやましいなぁ、なんて言われますが、ラリーレイドモンゴルも同様でしたが本人遊びに行ってるつもりはまったくなく、だからといって楽しくないわけではないにしろ、やっぱり働いてるってことワカってほしいなぁ。

■そのグラナダでの6日間エンデューロ。今年は10名もの日本人選手がエントリーしていて、スタートまでに怪我で約2名がリタイアしてしまいましたが、それでもこれは過去最高の数。自らの目標、また目的として、そしてホビーとして、こうした大きな競技会、しかも国際格式のイベントに参加できるというのは、本当に幸福なことでしょう。さまざまな事情で、行ってみたいとは思っていても、なかなか行けない人も当然、多くいらっしゃると思いますが、がんばって 行ってみれば本当に一生の財産となるに違いありません。ぼくも、もちろんそんな思いを持っています。が、いつのまにか(取材という)違う役割を自分のものとするようになっていますから、あえてこれから、ライダーとしてこうしたものに参加しようとは望んでいません。それでも見るたび、やはりウラヤマシイなぁと感じます。で、せめてもという気持ちがどこかで働いているためか、写真を撮るという行為を通じて、ライダーの気持ちを自分のなかに取り込もうとしているような気がします。今年のラリーレイドモンゴルにしろ、またグラナダの6日間エンデューロでも、みんなの姿をファインダーの中に追っている短い時間だけは、ぼくも一緒に走っているような気持ちになることができたような気がしています。

■「海外のイベント」というようにひとくくりにすると、さまざまな誤解が生まれると思いますが、毎年のように海外のイベントに参加することができる環境にいる人もいれば、さまざな事情で、それがかなわない人もいます。ぼくや、またぼくと似たような仕事をしている人たちもそうだと思いますが、あたかも海外のレースに出かけることができる人たちこそ、ごく当たり前で、しかもそうすることが良いライダーで、また目標とすべきだ、という偏っていて、また間違ってもいる常識を持っている場合があります。本当は、そんな誤解をしているわけではなくて、雑誌の記事では時に夢物語も作らなければならないために、そんなことを普通に書く場合もあります。でも、本当はアマチュアにとってもっとも大切にしていきたいのは、バイクという素敵な遊びを、生活の一部として長く楽しむことでしょう。そして、自分のスケールにあった、時折の刺激、ハレの舞台として、例えば北海道からなら四国のイベントに参加したり、もう少し余裕があればラリーレイドモンゴルにも行ってみようかということになるのでしょう。ラリーレイドモンゴルとなると「じゃあ行ってみますか」とはなかなかなりませんが、何年間も生活を圧迫し続けるほどの予算ではない、とそんな声を良く聞きます。

■何を言いたいのか自分でもまったくわかりませんが、要するに、自らの尺度があればそれを大切にして、無理せず、そして永く楽しみましょうってことかな? それと、これは自分への反省なのですが、海外のイベントは、それ自体が大きな競技会であるために、派手で楽しく、また記事にしやすく、行ってしまえば苦労のないものなのですが、振り返って日本のことを忘れてしまいがちになってしまいます。「日本はモーターサイクルスポーツシーンは、やっぱりまだまだだなぁ」なんて偉そうに思っているだけで、それではやっぱりダメなんですね。ヒダカはどうなんだ、日本の主催団体によるラリーレイドモンゴルはどうなんだ、同じくツールドブルーアイランドはなぜ来年で終わることになるのだ、オープンロードを使った競技会の未来はどうなんだ、サーキットでのオフロードレーシングはこれからどうなるんだ、そんななかで何を伝えていくことが仕事なのだろうか。と、そんなことを考えている雪の夜なのであります。

■サッポロはこれからシーズンオフという時期、近郊のエリア、国有林なんですが、そこでのバイクの走行のことがクローズアップされて地元新聞のいくつかに取り上げられていました。このあたりのことも、地元の人間としてはフォローしていかなくてはならなくなります。当のエリアについては、要するにガンガン派手に走りすぎたんですね。ライダーの絶対量としては剣山のような場所とは全く比較になりません。北海道では使われない言葉ですが、いわゆるゲロアタックと似たような走り方をしているライダーによって起こったトレイルの破壊が問題の発端になったらしい…。とまだ詳しくは調べられていないんですが、ホッカイドウも、だんだんそんな風になってきてます。です。

ビッグタンクマガジン
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