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No.55
2002/12/26

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2003年

■よその国の人に、ぼくが住んでいる街、札幌のことを話す時「北海道という日本の北にある島」という言い方をします。日本の人にはわざわざ「北の…」という説明はいりませんよね。このエッセイとも言えない端文のタイトルを「北の島」としているのには、そんなニュアンスがいくぶんこめられています。四国が、ぼくにとって「南の島」であるということでもあります。この「北の島」は、当初、SSER PRESS紙に寄稿させていただいていたものですが、1999年後半からリニューアルして現在のようにアクティブとなったこのホームページに週刊として連載されてきたものです。現実には週刊とはいかず、2002年に至っては10に満たない更新頻度となってしまいましたが、2003年はきちっとやっていこうと思いますので、よろしくおつきあいください。

■2002年とはどういう年だったかというと、いうまでもなく、ラリーレイドモンゴルがその終幕を迎え、ツールドニッポンが誕生。2001年のラストTBIにはじまり、SSERORGANISATIONと、そこに集うライダーたちにとっては激動の年であったといって、まず間違いのないところ。ドラスティックな変化にはいつも、それを歓迎する向きもあれば、歓迎しない向きも当然あります。まして、もともと多様な価値観を包含して進んでいくことを前提として開催されるこれらイベントには、人それぞれの期待があり、それらはすべて否定されるものではありません。ただ、ひとつだけ言えることは、いわゆるオフロードレーシングと呼ばれるものは、おしなべて時代の要請によって曲がり角を迎えている。いや、すでに曲がり角を少し通り過ぎてしまい、フルブレーキングのままコースアウト寸前という状態かもしれないということです。

■「北の島」からはじめて四国に渡り、梼原の2デイズ、そして7日間もの日程で四国の路を楽しむTBIを知って驚いたのは、その競技性うんぬんということよりも、これらがオフロード(道ではないという意味での=オフロード)ではなく、社会環境のごく一般的な状況のうえに成り立っているということでした。素晴らしいと思うのは、競技性うんぬんということなどよりも、こうしたイベントがひっそりと社会から隔離された場所・環境で行なわれるのではなく、日本のどこにでもある田舎の風景や、街のなかで自然に展開されているということです。あまり取り沙汰されることではなくなっていますが、そうしたところから育てられ、鍛え上げられた「ライダーとして必要な行動規範」や「モラル・社会性」といったこと、同時にそれを構築してきた方法論といったこと等々、他のイベントには見ることのできないものの多くが、この四国で具現化されているということに驚かされました。この記憶は今でも鮮やかなもので、ひるがえって現在のSSERのイベント群を見ても、その社会的な意義は、こういった部分にこそ大きいと思います。

■新しい年。この種のモーターサイクリングの世界は、大きな転換期を迎え、ライダーにはなにが求められていくのでしょうか。少なくとも、SSER ORGANISATIONとともにあって、常に、社会環境と向き合ってきたみなさんライダーには、それがなんなのか、わかっているんじゃないか。そんなふうに思っています。

 

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