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No.96
2005/02/03

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バイクと関係がないハナシ・・・?

それまで冬用のタイヤといえばスパイク(スタッド)がたくさん打ち込まれたものだったのに、札幌市を初めとした北海道の各都市では、たしか20年ほど前からになるのだと思うのですが、段階的にスパイクタイヤを禁止。スタッドレスタイヤ化を進めてきました。理由は、スパイクタイヤがアスファルトを削ってしまい、その粉塵による環境汚染(人体への影響が主)、また道路の補修費が膨大になったため、これを抑制する目的。環境汚染についていえば、代わって路面凍結を防ぐために大量に散布される凍結防止剤(塩化カルシウム)による害が指摘されていますが、目に見える生活環境は、粉塵がほとんどなくなったこと、スパイクタイヤの騒音がなくなったこと、道路からワダチが減ったことなど、ずいぶんよくなったと思います。

スタッドレスタイヤの性能は、タイヤメーカー間のコンペティションによって、格段の進歩を遂げています。現在では、かつて使用されていたスパイクタイヤよりも、完全凍結のアイスバーンを除けば、あらゆる条件でスタッドレスタイヤが優位にあると思われるほどです。静粛性、耐摩耗性、ドライ路面性能は、いうにおよばずです。北海道のドライバーほど、タイヤにうるさい連中はいないでしょう。ミシュランのマキシグラスなどは、指名買いの筆頭かもしれません。

ここまでは長い前フリです。みなさんに知っておいてほしいことは、ここからです。エンデューロやSSERのラリー同様に公道を使用する競技である日本の自動車ラリー。日本自動車連盟(JAF)が統括し、各地方のクラブが主催する全日本選手権、北海道選手権のラリーでは、スタッドレス化の機運が高まると同時に、ラリーの脱スパイク、スタッドレス化を検討。法律(条例)でのスパイク禁止が始まる以前に、すでに競技においてスパイクを禁止し、スタッドレスタイヤのみで競技を行っていたのです。

この日本のラリー界の決断は、なにをもたらしたでしょう。確かに、超絶といってもいいほどのグリップ力で迫力のある走りをしていたスパイクタイヤ(太いカップ形状に保持力の強いフランジをWで装備したピンをタイヤ1本あたりに200本も打ち込んでいた!)時代に比較すると、走りはちょっとおとなしくなってしまい、いくらかはラリーから離れる人もいました。しかし、2シーズン目には、北海道でのウインターラウンドは、タイヤメーカーの格好の宣伝の場となりました。スタッドレス化を1年後に控えた主要タイヤメーカーは商機に乗り遅れまいと、ラリーに目をつけました。スタッドレスのブランド名をラリーカーにペイントさせ、自社製品のPRために予算を投入。次々に雪国の選手を開発ドライバーに起用。TVコマーシャルにもラリーのシーンを多用するなど、ラリー界は一気に活性化。ウインターラリーの危機にもなりかねなかったスタッドレスへの転換を、逆手にとるかたちで乗り切って現在に至るわけです。

ぼくたちは、ちびっと何かに気がつかなければならない、と、そんなふうに思った冬の一日でした。

写真/ま、雪道ではこんな事故も絶えないわけですが…

 

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