Organisation Voice 2012/05

 

 

2012/05/23 (水曜日)

「モンゴルの試走に出かけます。」

もう何年も、この季節に大きな荷物を抱えてウランバートルへ行く飛行機に乗ります。不思議とどこかのテレビクルーが必ず同じ便に乗っています。
彼らの装備や服装を見ながら
「このチームは、なかなかやりそうだな。」
とか
「ここは荷物が多すぎて、素人くさいなあ」
とか勝手に値踏みをします。
ことほどさようにプロの荷物の整え方やウエアリングは、その力量まで透けて見えるから不思議です。

まあそういうボクは、最近とても荷物を減量!しています。荷物が多いというのがとても億劫だと言えばいいでしょうか。
せいぜいISKA製の20年も使っているダウンシュラフと、ここのところそのシュラフのダウンが切れてきたので、シュラフインナーとマット、あとダウンジャケットと少々の着替え。寒さは体力を奪います。そうなんです試走は寒いんですぅ。

カメラも小型のものを一つか、まあふたつ。一つは奪取に取り付けてインターバル撮影をするものなのですが。もちGPSは商売道具ですがボクはもうPCとか持っていきません。できるだけ現代社会の情報と隔絶して、浦島太郎になりに行きたいのです。

今朝FBで一つの文章を見つけてシエアしておきました。
少し日本語が「???」なのですがおおよそはこのような文章です。
「これはあなたの人生です。
自分が好きなことをやりなさい。
そして、どんどんやりなさい。
何か気に入らないことがあれば、それを変えなさい。
時間が足りないのなら、テレビを見るのをやめなさい。
(中略)
人生は短い。
情熱を身にまとい、自分の夢を生きよう。」
と結んでありました。

「うーーん。」
いいなあ、と思って思わずシエアしたのですが、何か物足りない感じがし始めて・・・
だからといって削除するのもなあ。と悩んで、OVを書いているところです。
人生は確かに短いのではありますが、確かに自分の人生なので、自分の好きなことだけしたいのですが、気に入らないことがあれば、すぐにも変えたいのですが。
時間が足りないからと言ってテレビを見るのをやめても時間のマネジメントができていない人は、同じように時間は足りないはずなのです。

こうして「なるほど」と思うこともイメージでとらえていては術中に陥ってしまうはずです。
こんなことを言われなくても、誰もがそう感じそう生きていますが、そうであってもこのように言われれば却って悩み始めるようなものではありませんか。

ああ試走に行くとき病がはじまった今朝のボクでした。
「情熱を纏い自分の夢を生きよう」
ではなく「六分の侠気、四分の熱」がボクの考える正解です。


2012/05/21 (月曜日)

「時々週刊タクラマカン」

さあ、タクラマカンへ。なんて突然書き始めるのも、今のボクは来週から始まるゴビ砂漠の試走の旅で「かの地モード」に陥ってしまった。
最近はマルチに思考が組み立てられずに、一つのことをやっていると違う思考にシフトすることに時間がかかる。
まあ老眼のように、調節障害なのかもしれん。

そして今日は2台のGS-ADVを点検に持ち込んできたからなおさらか。
ブレーキローターを留めるボルトがさびているのを眺めて、自堕落な自分を反省し「もうバイクなんか持っている資格なんてないなあ・・・」とひとりごとだ。

ところでBMWの販売店の店頭へお邪魔するのは久しぶりだが、感慨は深い。
高速道では大量の真新しいBMWを見慣れているので、モデル名こそはわからないけど。。。日本のバイクメイカーがいかに会議ばかりして、「そんなこと!」と思うようなことに挑戦しなかったかという道筋を見出すことができちゃう。

店舗マネジメントも、日本のメーカーのそれとも違いまあアイデンティティはコントロールされている。
さて巨大市場中国もついにバイクがスタートしたと思う。日本のメーカーは千載一遇のチャンスなのだろうか?モーターサイクルの未来を、描ききれなかった日本。70年代に英国のメーカーを挫折の淵に追い込んだメイドインジャパン。負け癖がついてしまったのだ。

ぼくは思う「宝くじがいかん」と。
「買わないと当たりませんよ。」
「でも買っても当らない。」
宝くじの当選倍率がどの程のものかは知らない。
当たるまでは夢を見るのだという。そして99.99%は、当たらないので「しかたなかった。」と結論付ける。
負ける経験を積み重ねていくうちに。悔しさを薄められてしまう。
負ける理由をいっぱい見つけて、勝てそうな最終局面に弱くなってしまう。
それは「どうせ勝てない」「たぶん最後は負けるだろう。」そんなイメージを纏ってしまっている。

タクラマカンから話がそれた。
イタリアのUNIT(きょうの一枚)にメールを出そう。「いくら?」って。


2012/05/17 (木曜日)

「モンゴル、久しぶりにM2出動予定だ。」

いよいよモンゴルの試走がはじまる。
最近、9時くらいになると眠たくなるボクには最適な日々だ。
早寝早起き、史上最大級のオートキャンプ大会。

オートキャンプ用品の耐久テストを、無償でお引き受けしますけど・・・

これまでは、そうした装備には凝ったものの、なんのことはないすぐなんても粉々に壊れる。
まあオートキャンプは、舗装路+キャンプ場。
モンゴルでは、いかに確実な積み込みをしていても、なぜだか荷室で貨物は宙を舞っている。
いや、それだけではない。
テントはどんなに丁寧に設営しても、半ばで破れる。
この時期は強風の季節、砂嵐のシーズン。それにひどい年は寒さとの戦いだったり、暑さとも戦う。敵は、複数で油断ならない。
まあだから面白いともいえるんだけど。
まだ見ぬ明日のルートを考えながら寝袋に滑り込むときの、あの何とも言えない至福感。。。

それもこれも含めて、まことに我ながらアドベンチャーだと思う。
とはいえモンゴルは、なんとか旅人が命をつなぐ工夫がたくさん施されている。
特に遊牧民の旅人へのまなざしは、いつも四国へんろの旅人へのおもてなし文化の醸成と能く似ているなあと感じる。

もっと試走に時間的余裕があれば、あちこちのゲルで遊牧民(の娘)と仲良くなれるのになあ。

さて今年は、ここのところ1台体制だったメディカルカーを参加者増にあわせて、2台体制にしようと計画している。

1台は「M1」タンドラ+ムッホ+ボルドサイハン医師(ローテーションだけど)さらに2代目は「M2」ランクル+日本人ドライバー+日本人医師(こちらもローテーション)もちヘリにも医師が乗って、このような体制。

さあ、いよいよ今年もモンゴルのシーズンがやってきた!!

 
2012/05/15 (火曜日)

「北京de考えたこと」

何度目かの北京。
末期フェチのボクは清朝末期とか、明朝末期とか、好きだ。
ついでに言えば、滅びゆくモノの姿に美しさを感じる。

そこにある混沌、退廃、不条理。そしてエネルギーの充満、爆発。
ジョブスの言葉を借りれば、滅びこそ革新の最大の契機となる、のだ。
大木は倒れなくては、若木は育たない。
倒れることで、これまでさえぎってきた太陽の恵みを地表にまで届け、ついでに
自らの栄養を次世代に供給する。「滅び」こそ再生の原動力。

おそらく日本のエネルギー政策も、いや政治も、いやいや経済もその局面を迎え
ているかもだ。滅びゆく者の姿は美しい、というのはここでは撤回。

飛行機の中で読んだ「禅の世界」がよくなかったか。
驚いたことに、ムッホはそれを「貸して」と、むさぼるように読んでいた。
「ジョブスのスピーチを、禅の世界観で解説しているのが面白かった。」
「・・・・・・・」
まじかい?

さて北京空港。
ずいぶん遅れた飛行機を北京のスタッフは、ずっと待っていてくれた。とにかく
バゲッジを受け取るまでに歩く距離は、ちょっと異常だ。
飛行機が着いたスポットはターミナルの中央付近。そこから延々と歩く。歩いて
歩いて入国したと思ったら、またまた歩いて歩いてシャトルに乗る。それを降り
るとまた歩いて歩いて、バゲッジを受け取る。
なんとも巨大空港はヒューマンフレンドリーとはいかない。。。
これからはハブ空港じゃなくて、小さなリージョナル空港の時代が来ますよ、絶対。

にしても中国の巨艦主義は、いかがだろう。
とにかく大きいほうが偉いのだ。
いやどうも中国だけではあるまい、世界もあいかわらず巨大建築物ブームかも。
日本も、どこかまだそれを感じているのか。
スカイツリーに喜んでいるのは、なぜだろう。
ひとより高いとか勝ったということがこんなに嬉しいんだろうか。
「優越」
という言葉は、何か本質を見失っている。もう古い古い。

これからは「僭越」でいこうとおもう。

まことに僭越ですが、ぼくの持論をまた。

鳥の巣をモチーフにした件の北京オリンピックスタジアムの近くにホテルがとってあった。ボクは北京飯店をオーダーしていたのにぃ。

そのスタジアムはオリジナルのデザインは秀逸だったが、鉄鋼の量が半端じゃない!という理由でデザインは台無しになった。
「それなら、竹で作れば良いのに。。」
さすがにその発言はスルーされた。

黄砂のひどいかすんだ北京は、ライティングでブレードランナーの世界のように見えた。流れる夜景を見ながら2050年くらいの世界を夢想した。
日本が25%ほど温暖化効果ガスを減らすという目標のころだ。
それでも太陽の磁極の関係で、どうも20年くらい前(2030年くらいね)まで寒冷化がひどくて、5月になるのにまだ氷点下の気温が続いている。
世界はガソリン車をあきらめたが、中国はまだ走らせている。
リチウムは中国最大の外貨獲得の商品になった。
北京は4000万人都市だ。
21世紀も半ば、未来はあまり明るくない。
だいたい20世紀を生きた人間たちのせいだ、そういう論調が中心となっている。

そもそも農産物のプロダクティビティは、2010年ころの40%にまで落ち込んでいるというのに世界人口は100億を軽々と突破して全人口の60%つまり60億人が栄養不良か飢餓に苦しんでいる。40年前に起きた原発事故以降、次々と事故を誘発し、おまけにテロ攻撃を受けた。

ああ、いかんなあ、こんなことを考えていては明るい未来はやってこないかもだ。
北京ダック食べて、アワビ食べて、火鍋食べて、高粱酒飲んで、ああああ・・・
はやくゴビ砂漠に走りに行こう!!

今年もとっておきのスペクタクルを用意しておくことにするね。

今日の一枚

北京の発表会場は、野趣にあふれたアフリカンテイスト。

2012/05/07 (月曜日)

「素敵な大会でした。」

明けて昨日の日曜日の朝、よく見る「題名のない音楽会」オーケストラをバックに素人が歌うという企画の第2週目。プッチーニを高らかに歌い上げる、まさに素人はだし、にまざって小学生の「ふるさと」そして87歳の老婦人の歌に思わず涙が・・・・・

それは日本の歌100選にもある「この道」北原白秋作詞、山田耕筰作曲でした。本当になんとも魂をゆすぶられたと思うのですから、そうない経験です。

今回のTBIの旅の伏線は、吉井勇。「五足のくつ」に端を発したTBI2012、ボクは少し時間を見つけて吉井勇記念館に出かけました。
オフィシャルのやまちゃんに
「龍馬伝の中で、龍馬とおりょうが新婚旅行で霧島に行ったとき、同行していたのが吉井のおじいさんで、ドラマの中で龍馬が「ありがとうございます吉井さん」というセリフが出てくるよ」なんて言ったら、なんと「龍馬の会」のやまちゃん!i-phoneに「龍馬伝」全編が収められていて、すぐにそのシーンが再生されたのでボクはびっくり!かくいうやまちゃんも「どうせ、いいかげんに言っているんだろう(まあいつものことだし)」と思っていたのでしょう・・・びっくりtoo。

まあそんな気分と話で盛り上がっていた大会運営1号車ですが、いつもの年にないハードで楽しい参加者の横顔をながめつつ「素敵な大会になったものだ」と、うつらうつら。

きょうの一枚

龍馬像の横に建つ吉井の歌碑
「大土佐の海を見んとてうつらうつら桂の浜に我は来にけり」